「バックしたときに、うっかりぶつけてしまった…」
「気づいたらテールランプカバーにヒビが入っていた!」
そんなとき、焦ってしまいますよね。修理代も気になりますし、「このくらいの割れなら、バレないかな?」と、ついテールランプカバーが割れたまま走行したくなる気持ち、痛いほどわかります。
でも、ちょっと待ってください。実はそれ、警察に止められるだけでなく、車両火災や事故の原因になる大変危険な状態なんです。
この記事では、テールランプカバーが割れたまま走行するリスクや、今すぐできる正しい応急処置、そして安く修理する方法まで、分かりやすく解説します。
テールランプカバーが割れたまま走行は違反?【結論:整備不良のリスク大】

- 道路交通法上の「整備不良」とは?違反点数と反則金
- 「白い光」が漏れると即アウト!保安基準のルール
- 警察に止められる可能性はある?実際の取り締まり事例
道路交通法上の「整備不良」とは?違反点数と反則金
結論から言うと、カバーが割れた状態で公道を走ることは、道路交通法第62条で禁止されている「整備不良車両の運転」にあたる可能性が非常に高いです。
「ちょっとしたヒビだし大丈夫だろう」と軽く考えていると、思わぬペナルティを受けるかもしれません。
道交法第62条違反の恐れ
違反点数:1点
反則金:7,000円
(普通車の場合)
●次回ブルー免許へ
●保険料割引の消滅
(経済的損失大)
もし警察に取り締まられると、「整備不良(尾灯等)」として違反点数1点が加算されます。さらに、普通車であれば7,000円の反則金(青切符)を支払う必要があります。
たった1点と思うかもしれませんが、ゴールド免許の方は次回の更新でブルー免許になってしまいますし、自動車保険の割引もなくなってしまうので、経済的なダメージは意外と大きいですよね。
「白い光」が漏れると即アウト!保安基準のルール
では、なぜ割れているだけで違反になるのでしょうか?
それは、国の定めた「道路運送車両の保安基準」に引っかかるからです。特に厳しいのが「光の色」に関するルールです。
テールランプ(尾灯)やブレーキランプは、後ろの人に「赤色」で見えなければなりません。カバーが割れて中の電球が直接見えていたり、白い光が漏れていたりすると、「赤色であること」という基準を満たせなくなります。
後ろの車から見て「バックランプ(白色)が点いているのかな?」と誤解されるような光り方は、事故を招くため法律で厳しく禁止されているのです。
警察に止められる可能性はある?実際の取り締まり事例
「実際にはそんなに見られていないでしょ?」と思うかもしれませんが、実は警察官はしっかりとチェックしています。
特に夜間は、赤いランプの中に鋭い「白い光」が混じっていると、遠くからでも目立ってしまいます。
パトカーや白バイにとって、これほど分かりやすい違反はありません。また、一時停止違反などで止められたついでに、ぐるっと車を見回されて「あ、テールランプも割れてますね」と指摘されるケースもよくあります。
この場合、整備不良の切符を切られるだけでなく、「整備命令書」というステッカーを貼られ、直した後に警察署や運輸支局へ見せに行かなければならない、なんてことにもなりかねません。
放置は絶対NG!割れたまま走行する3つの危険性

- 雨の日の走行は要注意!水濡れによるショートや車両火災
- テールランプの光漏れが招く後続車への幻惑と追突事故
- 走行中に破片が落下?二次被害のリスク
雨の日の走行は要注意!水濡れによるショートや車両火災
法律の問題だけでなく、車そのものへのダメージも心配です。
一番怖いのは「水」の侵入ですね。テールランプは本来、水が入らないように密閉されていますが、ヒビが入るとそこから雨水が吸い上げられてしまいます。
内部に入った水は、電球のソケットや配線を腐食させ、最悪の場合はショート(短絡)を引き起こします。ショートすると熱が発生し、周囲のプラスチックを溶かして、車両火災につながるリスクさえあるんです。
また、最近の車は電子制御が複雑なので、テールランプの異常が原因で、ABSやスマートキーなど他のシステムに誤作動を起こすケースもあるんですよ。
テールランプの光漏れが招く後続車への幻惑と追突事故
次に怖いのが、後続車への影響です。
割れた部分から漏れる強烈な光は、後ろを走るドライバーの目をくらませてしまうことがあります。
これを「グレア(幻惑)」と呼びますが、視界を一瞬奪われた後続車が距離感を見誤り、あなたの車に追突してくるかもしれません。
逆に、割れ目から水が入ってレンズが曇ったり、電球が水没して暗くなったりすることもあります。こうなると、ブレーキを踏んでも後ろの車が気づかず、やはり追突される危険性が高まります。
自分だけでなく、周りの人を巻き込む事故につながりかねないので、早めの対処が必要です。
走行中に破片が落下?二次被害のリスク
3つ目のリスクは、部品の落下です。
一度割れてしまったプラスチックカバーはとても脆くなっています。走行中の振動や段差の衝撃でヒビが広がり、ある日突然、破片がボロッと落ちてしまうかもしれません。
もし落ちた鋭利な破片が、後ろを走るバイクや自転車のタイヤをパンクさせたり、転倒事故の原因になったりしたら大変ですよね。
この場合、部品を落とした車の持ち主として、賠償責任を問われることになります。
「割れているのを知っていたのに放置した」となれば、過失責任も重くなるでしょう。誰かを傷つける前に、しっかりと直しておきたいですね。
すぐに修理に行けない時の「応急処置」やり方

- 透明テープはNG!専用の「レンズ補修テープ」を使おう
- 雨水の侵入を防ぐための正しい貼り方とコツ
- 応急処置のまま走り続けても大丈夫?あくまで一時的な対策
透明テープはNG!専用の「レンズ補修テープ」を使おう
「修理の予約まで数日あるけれど、車を使わないといけない」という時もありますよね。
そんな時、家にあるセロハンテープや梱包用の透明テープで塞ごうとしていませんか?実はそれ、あまり意味がないんです。
テールランプの正しい応急処置
- 白い光が漏れて違反状態に
- 雨ですぐに剥がれる
- 光の色が変わらない
- 「赤色」を選んで購入
- 赤いフィルターの役割
- 数百円で買えて耐久性◎
透明テープでは光の色が変わらず「白い光漏れ」の違反は解消できず、雨で剥がれることもあります。
必ず 赤色のレンズ補修テープ(テールランプ用)を使いましょう。
雨水の侵入を防ぐための正しい貼り方とコツ
補修テープを手に入れたら、貼り方にもコツがあります。
ただペタッと貼るだけでは、隙間から水が入ってきてしまうんです。まずは、貼る部分の汚れや水分をきれいに拭き取りましょう。
ポイントは「下から上へ」向かって貼ること。
汚れや水分は接着の大敵!
貼る前に完全に拭き取ります。
瓦(かわら)のように下から順に重ねます。
これが「水切り」の基本です。
上からの雨水が継ぎ目に入らず、
表面を流れ落ちていきます。
屋根の瓦(かわら)をイメージしてみてください。テープを少しずつ重ねながら、下から上へと貼っていくことで、上から雨水が流れてきてもテープの継ぎ目から入り込みにくくなります。
これを「水切り」と言いますが、このひと手間で防水効果がぐっと高まりますよ。隙間なくしっかりと密着させるのも忘れずに。
応急処置のまま走り続けても大丈夫?あくまで一時的な対策
「きれいに貼れたし、これでずっと走ってもいいかな?」と思うかもしれませんが、それはおすすめできません。
補修テープはあくまで一時的な「絆創膏」のようなものです。
時間が経てば劣化して剥がれてきますし、テープを重ね貼りすることで光が弱くなり、本来の明るさが出ないこともあります。
また、車検の際にも「恒久的な修理ではない」と判断されて通らないことがほとんどです。あくまで「修理工場に行くまでのつなぎ」と割り切って、できるだけ早くきちんとした修理を行うようにしましょう。
テールランプカバー 割れたままで車検に通る?NG基準とOKなケース

- 車検に通らない「著しい損傷」と「光の色」の規定
- わずかなヒビや亀裂なら通る可能性はある?
- 検査員の判断基準とは?確実に通すなら交換が必須
車検に通らない「著しい損傷」と「光の色」の規定
「このくらいのヒビなら車検に通るかな?」と気になっている方も多いはず。
車検の基準では、ライト類について「著しい損傷がないこと」と決められています。
具体的にNGなのは、
これらは保安基準を満たさないため、即不合格となります。特に水滴がついている場合は、密閉性が失われている証拠なので、検査員に見逃されることはまずありません。
テープで補修してあっても、光の色や明るさが十分でないと判断されれば通りません。
わずかなヒビや亀裂なら通る可能性はある?
では、本当に小さなヒビならどうでしょうか?
例えば、表面にうっすらと傷が入っている程度で、爪も引っかからず、水も入っておらず、光の色にも影響がない場合です。
こういった軽微なものであれば、「著しい損傷ではない」と判断されて車検に通るケースもあります。いわゆるグレーゾーンですね。
ただし、これはあくまで検査員の判断次第。
「今は大丈夫でも、すぐに割れる可能性がある」と見なされれば不合格になることもあります。車検当日にハラハラするよりは、事前にしっかり確認しておきたいところです。
検査員の判断基準とは?確実に通すなら交換が必須
車検の検査員は、安全に関わる部分には特に厳しい目を向けています。
テープ補修に関しても、「剥がれる可能性がある一時的な処置」と見なされることが多いため、基本的には「部品交換が必要」と言われると考えておいた方が良いでしょう。
「あとで直します」という約束は通用しません。
確実に一発で車検を通したいなら、やはり新品か中古パーツへの交換が必須です。
もし車検が近いなら、見積もりの段階で整備士さんに「この状態でも通りますか?」と相談してみるのが確実ですが、安全のためにも交換を推奨されることがほとんどですよ。
【業者別】テールランプカバー交換の費用相場と修理時間

- ディーラー・整備工場・カー用品店の料金目安比較
- テールランプカバー交換はオートバックスやイエローハットで可能?
- タントなど人気車種のテールランプ破損・値段の傾向
- 部品代が高い?中古パーツ(ヤフオク等)で安く抑える方法
ディーラー・整備工場・カー用品店の料金目安比較
いざ修理するとなると、気になるのはお値段ですよね。依頼先によって費用は大きく変わります。
●新品純正パーツ使用
●安心感は抜群だが高め
●中古部品でコスト抑制
●安く直したいなら推奨
まずディーラーにお願いすると、新品の純正部品を使うため、安心感は抜群ですが費用は高め。工賃込みで4万〜6万円ほどかかることも珍しくありません。
一方、街の整備工場なら、中古部品(リサイクルパーツ)を探してくれることも多く、1万5千円〜3万円程度に抑えられる可能性があります。
とにかく安く済ませたいなら、整備工場に「中古部品で直したい」と相談してみるのがおすすめです。
テールランプカバー交換はオートバックスやイエローハットで可能?
「近くのオートバックスやイエローハットですぐ直せないかな?」と考える方も多いと思います。
電球の交換ならすぐに対応してくれますが、「割れたカバーの交換」となると少し事情が違います。
多くのカー用品店では純正部品の在庫を持っていないため、基本的には取り寄せ対応になります。また、店舗によっては板金修理扱いとなり、提携工場への外注になるケースも。
そうなると手数料がかかったり、即日対応が難しかったりします。
まずは店舗に電話をして、「テールランプユニットごとの交換は可能か」「部品の持ち込みはできるか」を確認してみるのが賢明です。
タントなど人気車種のテールランプ破損・値段の傾向
軽自動車の中でも特に人気の高い「ダイハツ・タント」を例に見てみましょう。
タントのような車種は市場に出回っている数が多いため、部品も見つけやすいのが特徴です。
新品で交換すると、部品代だけで4万円以上かかることがあり、LEDタイプの高級なものだともっと高くなります。
しかし、中古パーツなら状態の良いものでも1万円前後、少し傷があるものなら3,000円〜5,000円程度で見つかることもあります。
人気車種に乗っている方は、中古パーツの流通量が豊富なので、安く直せるチャンスが大きいと言えますね。
部品代が高い?中古パーツ(ヤフオク等)で安く抑える方法
「車種名 + 型式」で検索。
例:タント LA600S
部品の小さな文字を確認。
同じ番号でないと装着不可!
持ち込み工賃はかかりますが、
総額は大幅に安くなります。
修理代を劇的に安くする裏技が、ヤフオク! や メルカリ で中古部品を自分で購入することです。
「テールランプ タント LA600S」のように、車種名と型式で検索すると、たくさんのパーツが出てきますよ。
選ぶ時の注意点は、自分の車と同じ「型式」や「品番」のものを選ぶこと。
特に「カスタム」グレードなどはデザインが違うことがあるので、いま付いているランプに書かれている小さな文字(刻印番号)を確認して、同じ番号のものを探すのが失敗しないコツです。
これを購入して、整備工場に持ち込んで取り付けてもらえば(持ち込み工賃はかかりますが)、トータルコストを大幅に下げられます。
自分で交換(DIY)は可能?安く済ませる手順と注意点

- カバーのみ交換は難しい?「レンズ」か「ユニット」かを確認
- 自分で交換する場合の必要な工具と作業手順
- 交換後の動作確認と防水処理の重要性
カバーのみ交換は難しい?「レンズ」か「ユニット」かを確認
「割れた赤いプラスチックの部分(レンズ)だけ交換できないの?」と思いますよね。
実は最近の車のテールランプは、レンズと裏側の土台が強力に接着されていて、簡単には分解できない構造になっています。
レンズだけを剥がして付け替える作業(通称:殻割り)は、プロでも手間がかかる難しい作業です。失敗すると水漏れの原因になります。
ですので、DIYで直す場合は、レンズだけでなく、裏側の土台も含めた「ユニットごと(ASSY)」交換するのが正解です。これなら、ボルトを外して付け替えるだけなので、初心者でも比較的簡単にできますよ。
自分で交換する場合の必要な工具と作業手順
自分で交換すれば工賃はタダ!
- 10mmのレンチ
- 内張り剥がし(又は布+ドライバ)
- トランクを開けボルトを外す
- ボディ保護のためテープを貼る
- 「真後ろ」に真っ直ぐ引き抜く
- 配線を抜き新しいユニットへ交換
必要な工具も、基本的には「10mmのレンチ」と「内張り剥がし(なければマイナスドライバーに布を巻いたもの)」くらいです。
交換後の動作確認と防水処理の重要性
新しいランプを取り付けたら、ボルトを本締めする前に必ず点灯チェックを行いましょう。
ブレーキ、ウインカー、バックランプ、すべて正常に光りますか?
最後に、防水の確認も忘れずに。交換したランプとボディの間に隙間がないか、裏側のスポンジパッキンがきちんと挟まっているかを確認してください。
もしパッキンがボロボロなら、そこから水が入ってトランク内が水浸し…なんてことになりかねないので、必要ならパッキンも新品にするか、防水対策をしておくと安心です。
ここまでできれば、DIY修理は完了です!
まとめ:テールランプカバー 割れたままなら早めの修理を!

今回は、テールランプカバーが割れたまま走行するリスクと対処法について解説しました。
最後に、重要なポイントをまとめておきます。
- 整備不良:1点・罰金7,000円
- 光漏れ・赤色褪せは即アウト
- 雨水侵入による火災の危険性
- セロハンNG、赤色補修テープ必須
- 下から上へ貼り「水切り」徹底
- ※あくまで車検NGの仮処置
- 早めの交換が必須
- 中古パーツなら数千円〜安価
- DIYはユニットごとの交換推奨
「たかがカバーの割れ」と思わず、自分と周りの安全のために、早めのケアをしてあげてくださいね。